「ようやく舟の完成じゃ。
七夕の天空を
里子(さとこ)の元に翔んでゆくぞ」
「ペットボトルやそうじ機…?」
「何を言うか!これは高速宇宙艇だ」
豪(ごう)じいさんは、四十年前に亡くした妻、
里子が天空の世界で生きていると信じ、
がらくたを集めては舟を創り、
逢いに行こうとしていた。
人は彼を「いかれじい」と呼んでいた。
「ほんとうに行くの?
じゃあ僕
里子さんに逢えるよう
たんざくに書くよ」
「ようやく舟の完成じゃ。
七夕の天空を
里子(さとこ)の元に翔んでゆくぞ」
「ペットボトルやそうじ機…?」
「何を言うか!これは高速宇宙艇だ」
豪(ごう)じいさんは、四十年前に亡くした妻、
里子が天空の世界で生きていると信じ、
がらくたを集めては舟を創り、
逢いに行こうとしていた。
人は彼を「いかれじい」と呼んでいた。
「ほんとうに行くの?
じゃあ僕
里子さんに逢えるよう
たんざくに書くよ」