豪と里子は深い愛で結ばれた夫婦だった。
彼は牛を飼い 彼女は機(はた)を織り
幸せに暮らしていた。
しかし四十年前
里子は重い病を患い
今まさに命の灯が消えようとしていた。
「豪、どうか悲しませないで
私は死んでゆくのではありません
天空の神様に命じられ
天(アマ)の和妙(ニギタエ)の衣を
織りにいくのです
七夕の夜 いちどきり
お暇を頂き
あなたにお会いすることが
できましょう」
豪の腕の中で里子はゆっくり目を閉じた
豪と里子は深い愛で結ばれた夫婦だった。
彼は牛を飼い 彼女は機(はた)を織り
幸せに暮らしていた。
しかし四十年前
里子は重い病を患い
今まさに命の灯が消えようとしていた。
「豪、どうか悲しませないで
私は死んでゆくのではありません
天空の神様に命じられ
天(アマ)の和妙(ニギタエ)の衣を
織りにいくのです
七夕の夜 いちどきり
お暇を頂き
あなたにお会いすることが
できましょう」
豪の腕の中で里子はゆっくり目を閉じた